制作費 | 49,800円 | (税込54,780円) |
---|---|---|
維持管理費 | 月額3,980円 | (税込4,378円) |
まほろばブログBLOG士業の集客・紹介元開拓に役立つ |
BLOG |
2022.12.27|デザイン
日々の生活の中で文字を目にしない日はありません。普段何気なく目にしている駅のポスターや飲食店のメニュー表、道路標識、書籍などで使われる文字には全て”書体”すなわち「フォント」が指定されています。
フォントは和文対応のものだけでも数千種類にのぼり、更に欧文用フォントも数多く存在します。このたくさんあるフォントの中からただ選ぶのではなく、その場にふさわしく意味のあるものを選ぶことが重要です。なぜなら、フォント選びは配色やレイアウトをはじめとするデザイン要素の一つであり、読み手に与える印象、さらに文字の読みやすさに大きな影響を与えるからです。
和文フォント(かな・カナ・漢字・数字含む)には大きく分けて2種類あります。明朝体とゴシック体です。パソコンを使って資料を作成したことがある方なら耳にしたことがある方も多いでしょう。明朝体と聞くと堅実的なイメージ、ゴシック体と聞くとポップなイメージがわくのではないでしょうか。
まずはそれぞれのフォントの種類によってどのような印象を与えるのか説明します。
文字の「留め」「はね」「はらい」などの部分が筆で書かれたようになっている文字のことを明朝体と言います。縦と横の線幅を比べると強弱が付けられているのがわかります。かっこよくスタイリッシュな印象を与えるフォントです。
明朝体よりやや崩し書きをされたような文字を総称して硬筆体と言います。硬筆とは万年筆やボールペンなどで文字を書くことを言いますが、手書きに近いような書体であるため親しみやすく温もりのあるイメージのフォントです。
明朝体は縦と横の線幅に強弱があったのに対し、ゴシック体は線のはじめから終わりまで線幅がおおよそ同じです。比較的シンプルなフォントに見えるので読みやすいフォント、親しみやすいフォントというイメージがあります。
ゴシック体の角を丸くしたような書体です。角が丸くなるだけで明るく可愛らしい印象を与えます。
上記の明朝体やゴシック体などに属さずデザイン性が高いフォントを総称して装飾体と呼びます。これには一定のセオリーはなく、読ませる文字というよりも魅せる文字として使われることが多いです。タイトルやアクセントワードには使いますが、本文に使うことはまずありません。
欧文フォントにも和文フォントと同じように大きく分けて2種類あります。セリフ体とサンセリフ体です。和文フォントでいうところの明朝体がセリフ体、ゴシック体がサンセリフ体にあたります。
日本語の文章内にアルファベットを使用するときは、なるべく欧文フォントを使うのがよいです。数字も同じことが言えるでしょう。
フォントの種類を表す言葉に「フォントウェイト」というものがあります。ウェイトとは重さを表しており、つまり文字の重さ=線の太さを表しているものです。
一番目立たせたい文字には太字を使い、本文や説明文には細字を選ぶのが一般的です。
和文・欧文ともに存在している装飾フォントとは、その名の通り装飾が施されたフォントです。読ませるというよりも魅せることに力を発揮しますので、誌面などのデザイン性をぐっと上げてくれるのがこの装飾フォントです。おしゃれだからと言って同じ紙面で何か所にもわたって使い過ぎると統一感がないものに仕上がってしまう危険性もありますが、ポイントをしっかり押さえて使用すれば目を引くデザインに仕上がること間違いありません。
フォントには装飾文字があることをお伝えしましたが、魅力あるデザインに仕上げるために必ずしも装飾体を用いれば良いというわけではありません。例えば「満足度95%」の文字を目立たせたいからと言って装飾文字を使うことは避けたいところです。
なぜなら装飾文字は、デザイン性はありますが読み手にしっかりと読ませる能力はあまり持ち合わせていないからです。
「満足度」「95」「%」の3箇所全てに同じフォントを使うのではなく「満足度」には和文向けフォントを、「95」と「%」には欧文フォントを指定するのが良いでしょう。
フォントサイズを変えるだけで装飾文字を使わなくても目立たせることができます。あまり目立たせる必要のない単位「%」のフォントサイズを20%程度にすると効果的です。
サイズだけではなく、フォントウェイトに差をつけると全体がすっきりまとまり、強調したい数字を魅せることができます。
フォントの使い方に慣れていないと、読み手の目に留まるようにという願いを込めて本文にゴシック体の太文字を指定しがちです。また反対に本文に明朝体を指定するのも時と場合によっては好ましい選択と言えないことがあります。特に本文や説明文が長い場合のフォントを選ぶ際には、フォントウェイト、さらに行間にも注意しましょう。
角が丸くなっているので全体的に読みやすく親しみのある文章に見えるようになります。丸ゴシック体にもたくさん種類がありますので、書体が引き締まったような(これを”懐が狭い”と表現します)フォントを選ぶと効果的です。
丸ゴシック体に比べて文字に角があるので一見堅苦しい印象をあたえてしまいそうな角ゴシック体は、フォントウェイトの種類が豊富なものを選択すると良いでしょう。細目のウェイトで全体をすっきり見せると同時に信頼感のある心強い印象をあたえてくれるフォントです。
文字と文字の隙間が狭いと、窮屈な印象になるのは想像できるでしょう。読み手にとってはとてもストレスで、読むのをやめてしまう原因の一つです。理想的な行間は文字サイズの75%〜100%です。特にフォントウェイトが重いものであれば、同じ行間でもかなり窮屈なイメージになりますので注意が必要です。
背景に写真を使用してタイトルと本文を設置するデザインテクニックは、全体の雰囲気が伝わりやすくなるため広く利用されています。このテクニックを利用する場合には、文字を背景に埋もれさせないためにフレームなどを使って写真の背景と文字の背景にメリハリをつけることで読みやすいデザインに仕上げることもできます。
すでにお伝えしている通り、装飾体を1ヶ所〜2ヶ所程度に絞って指定すると、面白みがあり興味が湧くようなデザインに仕上がります。しかしデザイン性が高いフォントほど使い方には注意が必要です。
本文に使うフォントを指定するときと同じ心理が働き、目立たせたい一心で装飾体をあちらこちらに使わないようにしましょう。使う箇所は多くても2ヶ所までにするなどのルールを設定しましょう。
「使いすぎない」と同様、目立たせたい文字や見出しなどに装飾体を指定すると「読みにくさ」が先に勝ってしまい読み手に伝わりにくくなります。装飾文字は、さほど重要ではない文字に指定すると自然と全体のデザイン力が上がり、読み手の目を引くことができるようになります。
堅苦しいイメージは時にはマイナスイメージになってしまうこともあります。「親近感」や「気軽さ」を与えることができるのは、装飾体の使い方次第であると言っても良いでしょう。例えばゴシック体に添える程度の装飾体の欧文を思い切って使ってみるのもお勧めです。
装飾体を使えば目立つこと間違いありませんが、上記のように使い方を間違えれば誌面のイメージがマイナスになってしまうこともあります。例えば「よくある質問」と題してお客様の疑問にお答えする文章を記載するとき、質問に色を加え、さらに書式設定の下線や斜体などを使ったりして工夫する方も多いかもしれません。これは間違った方法と断言することはできませんが、もう少し工夫の仕方を変えて読みやすさを追求したいところです。
先ほど例にあげたように「よくある質問」で、質問内容に色をつける、下線を引く、斜体にするといった三つの要素を組み合わせるのをやめてみましょう。ここで使える工夫は「色を変える」の一つに絞ってみるととてもすっきりして読みやすく仕上がります。
色を変えるのではなく、フォントサイズは同じでフォントウェイトを変えるとたったこれだけで目立たせたい部分が際立つようになります。「よくある質問」など質問と回答がいくつも繰り返される場面でこの方法を使うと、「見出しの設定(色や線など)を複数変えない」で紹介したポイントよりもさらに読みやすさが改善されます。
フォントの色を目立たせようと「赤色」を多用する方が多いように思います。この事務所に相談したい、依頼したいという心理を働かせるためには赤文字の多用はお勧めしません。なぜなら、赤文字の多用は無意識に緊張感や緊急性を感じてしまうため、読み手にとってはそれがストレスになることもあるためです。赤色にもたくさん種類がありますので、どうしても使いたい場合は落ち着きのある色合いのものを選ぶようにしましょう。
シンプルなフォントを指定した場合、シンプルな図形で囲ってみるのも一つの工夫になります。「むやみに赤文字を使わない」のように赤文字を避けたい場合に使えるコツと言えるでしょう。
GoogleFontsは商用利用可能な誰でもすぐに使えるフリーフォントです。インストールして使用するまたはwebフォントとしても使用することができるとても便利なサービスです。和文、欧文それぞれのお勧めのフォントを紹介します。ただし、対応していない和文が含まれていることがあるのでご注意ください。
日付を表記する際の数字に指定するのがお勧めです。特にお勧めなのはイタリック文字と言って斜体に近いような斜めになった文字である「Bold 700 Italic」です。Bold(ボールド)は太文字のことを指しています。
フォントウェイトの種類が豊富で、アルファベットで表記したいとき、例えば日曜日をSUNと表記したり、英文を表記する際にこのフォントを使用すると非常に読みやすい仕上がりになります。
手書き風筆記体文字です。装飾文字になりますので「point」や「check」などの単語に使用するのがお勧めです。
丸ゴシック体です。フォントウェイトの種類は少ないので本文に指定するのがお勧めです。
フォントの種類は非常に多く、最近ではパソコンのアプリケーションにもたくさんのフォントが用意されるようになりました。最後に紹介しましたGoogleFonts以外にもアドビ社製のAdobeFonsや有料フォントなどもありますので、まずはこちらの記事を参考にコツを掴みながら楽しんでフォントを選んでいただきたいと思います。
AUTHORM.T.
制作部 チーフデザイナー
WEBデザインもグラフィックデザインもこなす二刀流デザイナー。
ホームページだけでなくチラシ・DMや事務所案内・パンフレットまで幅広い制作実績を有する。
こちらの記事もどうぞ