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経営者は何を思い、何を行うべきか

経営・マネジメント

経営12カ条 経営者として貫くべきこと

これさえ守れば、会社や事業はうまくいく

著者:稲盛 和夫
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
発売日:2022年9月7日

著者について

稲盛和夫(いなもりかずお)。1932年、鹿児島市に生まれる。1955年鹿児島大学工学部を卒業後、京都の碍子メーカーである松風工業に就職。1959年4月、知人より出資を得て、資本金300万円で京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。代表取締役社長、代表取締役会長を経て、1997年から取締役名誉会長(2005年からは名誉会長)を務める。

本の概要

京セラ・KDDIの創業や日本航空の再建、そして盛和塾の主催など、ありとあらゆる業種で経営者として偉大なる功績を遺しただけでなく、今を生きる経営者たちに経営哲学や人間学を伝えてきた稲盛和夫氏。本書はそんな稲盛氏が『どうすれば会社経営がうまくいくのか』という経営の原理原則を12ヵ条にしてわかりやすくまとめた、生前最後の書である。

稲盛氏は本書の冒頭で「世の複雑に見える現象も、それを動かしている原理原則を解き明かすことができれば、実際には単純明快」だと語っている。つまり複雑な要素が絡み合う「経営」に於いても、本書の12ヵ条を知り、その本質に目を向けることができれば、経営は至ってシンプルなものへと見方が変わるのだ。

経営の12か条とは例えるなら、進むべき方向を示す羅針盤のようなものだ。
荒波のような市場の急激な変化や、濃霧のような先行きの見えない未来に悩んでいる全ての経営者たちに、本書を強く推薦したい。

読んだ感想

2022年8月24日、本書の著者である稲盛和夫さんが永眠いたしました。私にとって稲盛さんは経営者として憧れの存在でもあり、人として心より尊敬していた方でした。私がいま、こうしてたくさんの方々に支えられながらも、経営を続けられているのは、稲盛さんが私の心の支えとなり、経営の道標を示してくれたおかげでした。私の会社の経営が思うように軌道に乗らず「ああでもない、こうでもない」ともがき苦しんでいた時期には、稲盛さんの厳しく優しいお言葉に何度も助けられました。生前の多大なる功績に尊敬と感謝の意を表すとともに、改めて心よりご冥福をお祈り申し上げます。

本書『経営12ヵ条』は、経営者が貫くべき経営の原理原則を12ヵ条にしてわかりやすくまとめたものです。本書の中で特に印象に残っているのは「企業というものは、経営者の器以上には大きくならない」というメッセージです。稲盛さんは、経営者として会社を発展させる素晴らしい技量を持っていることは然ることながら、「人間として何が正しいのか」や「人間は何のために生きるのか」というフィロソフィも格物致知の姿勢で探究した数少ない存在でした。ただ単に利益を出そうとするのではなく、こころと人間性を高めて経営者としての器を大きくし、精神と実務の両輪を回したからこそ、稲盛さんは全く違う業種で数々の偉業を成し遂げることができたのだと思います。

どれだけ崇高な企業理念を掲げ、どれだけ従業員を叱咤激励しやる気を出させようとしても、上に立つ経営者の器が小さければ信頼は得られず人は動きません。近年では、人間としての魅力がなくても、お金儲けの手腕だけは一流のカリスマ的な経営者がメディアで持て囃されることもしばしばあります。しかしその繁栄も電光朝露の如く、人間力に乏しい経営者が輝くのはほんの一瞬で儚いものです。やはり永続的に利益を上げ続ける企業のトップに立つ一流の経営者は、ほとんど例外なくこころを高め、人間力のある魅力的なお方ばかりだと感じます。

では、心を高めるとは一体どういうことか。その答えの一つは、私は「自己犠牲を払うこと」だと思います。自己犠牲に関して稲盛さんが大切にしていた言葉の一つに、20世紀初頭のイギリスの思想家であるジェームズ・アレンの次のような言葉があります。

『成功を手にできないでいる人たちは、自分の欲望を全く犠牲にしていない人たちです』

『もし成功を願うならば、それ相当の自己犠牲を払わなくてはなりません。大きな成功を願うならば、大きな自己犠牲を、このうえなく大きな成功を願うならば、このうえなく大きな自己犠牲を払わなくてはならないのです。』

稲盛さんは自身を犠牲にしながらも、利他の心で盛和塾や京都賞をはじめとする数々の社会活動に貢献してきました。稲盛さんが今を生きる私たちに残したものは、計り知れません。

さあ、次は私たちの番です。私たちは次の世代に何が残せるでしょうか。
まるで親が子に無償の愛を注ぎ、何の見返りも求めないように。
自分のためではなく、自分以外の誰かのために生きていきたいものです。

印象に残った言葉【本書から引用】

従業員に懸命に働いてもらおうとするなら、そこには「大義名分」がなければなりません。「自分はこの崇高な目標のために働くのだ」という大義名分がなければ、人間というものは心から一生懸命にはなれないのです。(p.15)
今日1日を一生懸命働くことで明日が見えてくる。今月1カ月を一生懸命働くことで来月が見えてくる。そして、今年1年を一生懸命働くことで来年が見えてくる。(p.39)
企業というものは、経営者の器以上には大きくなりません。だからこそ、経営者や幹部、さらには社員も含め、企業に住む人間の器量を大きくしなければならないのです。この人間の器を大きくするための作業が、経営哲学を勉強するということなのです。(p.48)
値決めは経営そのものであり、値決めに失敗すれば経営が破綻してしまう。そのくらい重要なことなのです。(p.101)
経営をし、事業をする場合には、凄まじい才覚やリーダーシップ、強い闘争心、強い意志力を持つようにしなければなりません。そういう本能心が必要なのです。しかし、それだけでは、誤った場合、組織に大変な害を与えますから、それを制御できるように心を磨かなければならないと言っているのです。(p.127)

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門の集客・紹介元開拓支援会社「株式会社まほろば」の代表取締役。
独立開業時の集客・紹介元開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上から問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・紹介元開拓の仕組みづくりを推奨している。
保有資格:社会保険労務士(事務所経営に15年以上参画)

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