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「良い習慣の作り方・続け方」と「悪い習慣の断ち方」

自己啓発

ジェームズ・クリアー式

複利で伸びる1つの習慣

著者:ジェームズ・クリアー(著)、牛原 眞弓 (翻訳)
出版社:パンローリング 株式会社
発売日:2019年10月12日

著者について

ジェームズ・クリアー。ジャーナリスト、著作家。「習慣」「意思決定」「継続的改善」を専⾨とし、書籍の執筆だけでなく、講演も多数おこなっている。特に「ハビッツ・アカデミー」というオンライン講座の受講者は、指導者、管理職、コーチ、教師をはじめ1万⼈以上。⽣活や仕事上でよりよい習慣を⾝につけたいと考えている個⼈や組織のための最⾼の養成講座となっている。

本の概要

大きな成功を手に入れるために、一番重要なことは何だろうか。
例えば自社の営業利益を現在の2倍にしようと思ったとき、収益性の高そうな新規事業を立ち上げたり、DX化を進めて人件費を削減したりと、さまざまな策が思いつくだろう。

そして多くの人はこう思う。
「大きな成功には劇的な改善が必要だ」と。

だが、これらの劇的な改善よりもはるかに大切なことがある。
それは「日々の小さな改善の積み重ね」だ。
日々の小さな改善は長い目で見てみると、劇的な改善よりもはるかに大きな効果を発揮するのだ。

1.01の法則、0.99の法則をご存じだろうか。
これは日々の小さな改善が大きな成果をもたらし、日々の小さな悪化が最悪の結末を導くというものだ。

例えば日々の習慣の中で、何か1%の改善をしたとする。
たった1%の改善は目立たないし、誰にも気づかれないことさえあるだろう。
だが毎日が1%よくなったら、1年後には1.01の365乗で37倍以上の改善につながることになる。
逆に毎日が1%悪くなったら、1年後には0.99の365乗で0.03、つまり成果は限りなくゼロに近づいてしまう。

投資したお金が複利で増えるように、習慣の効果も繰り返すことで大きくなっていく。
だからこそ、大きな成功を手に入れたければ、何か劇的なことをしようとするのではなく、習慣の小さな改善を繰り返すことが大切だ。

本書では良い習慣を繰り返す、そして悪い習慣を断ち切って、複利の効果で大きな成功を得る具体的な方法が記されている。
意志力や、やる気といった不安定なものに頼ることなく、習慣という仕組みを変えることであなたの未来は変えられるのだ。

読んだ感想

“Compound interest is man's greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn't pays it.”
(複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。)

この言葉は、ドイツ生まれの理論物理学者であるアルバート・アインシュタインが残した言葉だとされています。誰もがご存知の通り、アインシュタインは特殊相対性理論の発見やノーベル物理学賞の受賞など、数々の偉業を成し遂げた科学者であり、それゆえ「現代物理学の父」とも呼ばれています。そんな天才アインシュタインが「人類最大の発明」として「複利」を挙げたのは、私を含め意外だと感じる方も多いのではないでしょうか。

本書では、主に資産運用の文脈で語られることの多い「複利」の力を日常の習慣形成に応用し、小さな改善の積み重ねで目覚ましい成果をあげるための実践書です。本書が習慣化形成について記したその他の書籍と一線を画しているのは、モチベーションや目標、根性に依存しない仕組みを作り上げられる点にあります。勉強や筋トレ、ダイエットなど、何か習慣化したいと思ってもなかなかやる気が続かず、三日坊主になってしまった経験は誰もが持っていると思います。また朝起きてすぐのスマホや暴飲暴食、タバコなど、生産性や健康を損なうような悪い習慣を断ち切れず、苦しんでいる方も多くいらっしゃると思います。しかし習慣がなかなか続かない(もしくは辞められない)からといって「自分はダメなやつだ」と自己嫌悪に陥り、自分にプレッシャーをかける必要はありません。あなたが習慣をうまくコントロールできないのは、意思の強さの問題ではなく、単に「習慣のコントロール術」を知らないだけなのです。

この本で扱う習慣のコントロール術は全て、生物学や神経科学、哲学、心理学、経済学などの幅広い分野を基盤としており、それゆえモチベーションに頼らない仕組みを作り上げることができます。例えば、近年企業や経済学研究者の間で大変注目を集めている分野の1つに、経済学に心理学を応用した行動経済学という分野があります。その中でも2017年にノーベル経済学賞を受賞した「ナッジ理論」はビジネスでも積極的に活用されており、本書の習慣形成術の中にもこのナッジ理論が広く応用されています。ナッジ理論とは端的にいうと「人が意思決定をする際の環境をデザインすることで、自発的な行動変容を促す方法」です。例えば会員制のスーパーマーケットであるコストコには大きなカートしか置いていませんが、これは空いたカートを埋めようと「無意識のうちに」顧客が多くのものを買ってくれるからです。2017年以降に新設されたセブンイレブンはレジが店の奥にあるレイアウトになっているところが多いですが、これもレジに行くまでの間に顧客にたくさんの商品を目に入れさせることで「無意識のうち」にたくさん商品を買ってもらうという意図があります。

そしてこのナッジ理論は、新しく習慣を作りたいときにも使うことができます。例えばダイエットをしたいときは、人は使っているお皿のサイズを一回り小さくするだけで「無意識のうち」に食べる量も減らせます。また、自分の子どもがテレビゲームをし過ぎてしまうのなら、ガミガミ怒らずとも使い終わるたびにゲーム機のプラグを抜き、クローゼットにしまっておくようにさせるだけでも強力な抑制効果があります。このように「環境」をまず変えることで、モチベーションややる気に頼らずに習慣を作ることができるのです。

本書では、このような「良い習慣の作り方・続け方」「悪い習慣の断ち方」が分かりやすく解説されています。資産運用でも投資を始める時期が早ければ早いほど複利の効果が効いてくるように、良い習慣を作り悪い習慣を断つのも早ければ早いほどその効果を発揮します。仕事でもプライベートでも、成功のカギを握るのは日々の習慣です。ぜひ本書を手に取って小さな改善を積み重ね、より良い未来を創り上げてください。

印象に残った言葉【本書から引用】

本書にはKindle版にページ数が記載されていないため、引用箇所は位置ナンバーで記しています。
習慣は自己改善を複利で積み上げたものである。毎日1パーセントの改善が長期的に大きな改善になる(No.384)
目標ばかり追ってはいけない。仕組みから取りかかろう。(No.394)
習慣を変えるのに最も効果的な方法は、達成したいものではなく、なりたい人に意識を向けることだ。(No.579)
行動変化のプロセスは、つねに自覚から始まる。自分の習慣に気づかなければ、変えることはできない。(No.865)
成功する確率をもっとも上げるには、自分に合った競争分野を選ぶことである。(No.2722)

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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