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ますます重要になる「ブランディング」はマーケティングの上位戦略である

集客・マーケティング

ブランディングの教科書

ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる

著者:羽田 康祐 k_bird
出版社:NextPublishing Authors Press
発売日:2020年8月1日

著者について

羽田 康祐 k_bird(はだ こうすけ)。広告会社勤務 ストラテジックプランニング部門の戦略ディレクター。 日本マーケティング協会認定マーケティングマスター。産業能率大学院ビジネススクール修了(MBA)。3年間外資系コンサルティング会社に参画。広告会社流の右脳とコンサルティング会社流の左脳を併せ持つハイブリッドキャリアを持つ。著書に「問題解決力を高める推論の技術(フォレスト出版)」。

本の概要

「ブランドとは何か?」

実は「ブランド」や「ブランディング」という言葉は非常に定義が曖昧であり、人によってその解釈も方法論もさまざまである。そのため、ブランディングの本質を理解しないまま表面上だけ他社の成功事例を真似しただけでは、決して成功することはない。

しかし本書は、抽象的になりがちな「ブランディング」について「直感的な腹落ち感」と「論理的な納得性」の両方を追求した、画期的な書籍である。著者はブランディングの第一線で活躍しており、机上の空論にとどまらず豊富な事例が盛り込まれている点も本書の魅力の一つだ。

これまでブランディングの本を読んでも雲を掴む話に聞こえて、今ひとつ実践に落とし込めないと感じている経営者/マーケティング担当者は多いだろう。そんな方々に、ぜひ本書を読んでいただきたい。

読んだ感想

『情報が完全に過多になり、人々が日々受け取れる情報に圧倒されている世界では、ブランドがさらに重要になる。人々には、日常生活のすべての事柄について選別している時間はない。ブランドは、その選別を助けてくれる。』

これは、Apple創業者であるスティーブ・ジョブズの言葉です。
総務省が発表しているデータから計算すると、人々が接する情報量は年々指数関数的に大きくなっており、その量は約18年(2002〜2020年)で6,000倍になっているという調査結果もあります。インターネットインフラの発達やSNSの普及、誰もがスマートフォンを持ち歩くようになった現代において、人間が日々受け取る情報量は、私たちが認識できる情報量の限界をはるかに上回っています。現代はSociety4.0からSociety5.0への移行の段階にあり、5Gやビッグデータ、AIの発達によりこのトレンドはより一層加速していくことでしょう。そんな情報の渦に呑み込まれそうになる現代において、スティーブ・ジョブズが指摘しているように、「ブランド」は今日以上の重要性を増していくと私は考えます。

では、そんな重要な「ブランド」は、どのように形成していけばいいのでしょうか。本書を読み、私が感じたのは「ブランドは決して自然発生的なものではなく、マーケティングの上位戦略である“ブランディング”を絶え間なく実施することで、はじめて実現するもの」だということです。従来の喫茶店やカフェの延長線ではなく、「サードプレイス」としての立ち位置を確立したスターバックスや、機能面だけではなくデザイン性をも追求した優れた商品を世に送り出し続けるApple。私たちがスターバックスやAppleに抱く良いイメージは、決して一朝一夕につくられたものではありませんし、自然発生的に私たちの心に芽生えたものでもありません。そこにはマーケティングの上位戦略としての「ブランディング」があり、企業経営者やそこで働く従業員の方々の絶え間ない努力のもとに成り立っているのです。

現代経済学の分野では、限定合理性という概念があります。これは「人の知識や計算能力には限界があり、完全な合理性は持ちえない」という概念です。あなたがどんなに機能面で優れた商品をつくったとしても、ブランディングができていなければ顧客はあなたの商品を買ってくれません。なぜなら、人は誰も完全な合理性を持ち合わせてなく、情報過多の現代においてはあなたの商品を顧客の心に位置付けることさえも難しくなっているからです。裏を返せば、顧客が心の中で本来望んでいることを見抜き(インサイト)、顧客が望んでいる体験を提供する唯一無二の役割(ポジショニング)を担うことができれば、顧客の心に自社のブランドを位置付けることができ、商品を買ってくれる人やファンも増やせると思います。

そして私が経営している株式会社まほろばでは、「相談したいときに 相談すべき専門家に 相談できる社会へ」をミッションとして、事業をおこなっています。現状では、何か問題が起こったときに専門家に相談をするのにはハードルが高く、まだまだ私たちがゴールとする社会は実現できていません。そして、私のミッションの実現に共感してくれる多くの士業の方や、一緒に働いてくれるクリエイターの方々の協力も必要だと考えています。

私たちが目指すゴールに共感してくれる、一人でも多くの方々に私たちの取り組みのことを知っていただけるように。そして私たちがミッションとする社会の実現のために。
本書で学んだことを活かしながら、ブランディングを実践していこうと思います。

印象に残った言葉【本書から引用】

ブランドとは、生活者から見た独自の役割を築き、感情移入が伴ったモノやサービスのこと(p.14)
知名度向上により「安心感」「親近感」という感情移入を起こすことができれば、あなたの商品は他社商品よりはるかに選ばれやすくなります。(p.34)
目指すべき将来像を「企業・ブランド側」に置くのではなく、「より良い社会・ライフスタイル」に置くことができれば、ブランドが示したゴールは生活者に限らず、社会との共有・共創が可能になります。(p.118)
ブランド提供価値とは:ブランドが生活者に提供できる「喜びの度合い」(p.124)
「ターゲット」は机上の空論ではなく生身の人間であり、多様なライフスタイルや価値観を持っています。そしてそのコンテキスト(背景)を深く理解した上で、そこから逆算して考える習慣を持たない限り、ターゲットの感情移入を勝ち取ることはできません。(p.280)

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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